- なりたい自分へ、なかなか近づけていない気がする
- たいていのことが長続きせず、いつのまにかやらなくなっている
- 目標のための最初の一歩が踏み出せない
今日はそんな方への記事になっているので、当てはまる場合はぜひ読み進めてほしい。
どんなに長い道のりも、必ず最初の一歩がある――なんて説教くさいセリフがあるが、皆さんはどう考えるだろうか?
- 「まさしくその通り。何かを成し遂げる人は地道な努力を重ねている」
- 「それはそうかもしれんけど、正直そう言われても途方もない感じがして響きはしない」
- 「いやいや今の時代もっと楽して成功する方法はいくらでもあるでしょ?」
いろいろな意見が出そうだ。
僕はこういう格言みたいな言葉が嫌いだった。小さい頃、親だったか先生だったかとにかく身近な大人に言われた記憶がある。なんだか子供に対して行動を起こさせるための説教のようなイメージがあり、どうもすんなり受け入れられなかった。
大人になった今はこう思う。
この言葉は単なる事実である。
ただし、この「長い道のり」への向かい方は知っておく必要があるだろう。
スモールステップとは
前置きはこれくらいにして、本題。
ときどき聴く言葉かもしれないし、スモールステップに関する書籍もたくさん出ているのでよくよくご存知の方もいるかもしれない。この記事では、
- そもそも、スモールステップとは?
- スモールステップの実践
- どういうときに使える?
というような基本から書いていこうと思う。
スモールステップ。直訳で小さな階段という意味だ。
人は何かを達成したいとき、継続させたいとき、成し遂げたいとき、急に完璧を目指そうとしてもうまくいかない。これについては皆さんも想像できると思う。
- まだドリブルもできない少年がプロバスケットボールの選手になる。
- 運動習慣のない人が、突然1日1時間の筋トレを続ける。
- 偏差値40の学生が、高3の夏から東大を目指す。
これらはスカイツリーのてっぺんへ向けて階段で登るようなもので、すぐにはできない。
人は目の前の階段の長さに圧倒され、途中で登るのを断念してしまう。
そこでスモールステップでは最初も最初、一番最初の段に目を向ける。
ドリブルもできない状態であれば、まずは正しいバスケットボールの持ち方から始める……といった具合だ。
そして、
- 行動しようとしているとき
- 行動している最中
は、まさに今足を乗せているステップに集中し、全体を見ない。
これがスモールステップの基本的な考え方だ。
1年間毎日ピアノを続け「戦メリ」を弾けるように
僕は30歳を超えるまでピアノに触ってこなかった。だがときどき音大生のストリートピアノ動画を見ていて、こんなふうに弾ければ楽しいだろうなと感じていた。
ピアノを触ったこともない僕が、ピアノを弾けるようになる。
途方もないことだ。
このときに設定すべき「小さな階段」はいろいろ考えられる。
- ピアノを買う(幸い僕の場合、妻が弾いていたので自宅に電子ピアノがあった)
- youtubeで初心者用の動画を見る
- 初心者用の楽譜を買う
- バイエルやハノンを弾いてみる
どれも必要なステップに見える。実際練習が進む中でどこかのタイミングでは、これらを実行しなければならないだろう。
しかし、スモールステップ思考で考えるとどれも最初の1段ではない。
なぜなら、以下のことが考えれられるからだ。
- ピアノを買う→買っただけで満足しないか?
- youtubeで初心者用の動画を見る→見ただけで分かった気にならないか?
- 初心者用の楽譜を買う→買っただけで開かなかったりしないか?
- バイエルやハノンを弾いてみる→少し弾いてみて上手くいかない箇所があると、だんだんやる気がなくなってしまわないか?
ありうる。大いにありうる。前提としてスモールステップは「長続きしない人」のためにこそある。
そこで僕が設定したステップはこれだ。
- 毎日ピアノに触る
……
…………
………………およそ、ピアノが上手くなる人の第一歩とは思えないかもしれない。
youtubeで音大生が配信している「とてもよくわかり、ピアノが上手くなりそうな動画」には、こんなステップは書かれていない。ピアノに触るなんて当たり前で、彼らにはそんなことよりもっと視聴者に伝えるべき有益な情報がたくさんあるからだ。
それはそれでもちろん、初心者には助かる。
ただし、ただしだ。
そもそも僕にはピアノに触るという動作すら、身についていないのである。
考えてみれば、人は何かを始めようと気合を入れても、それに手をつけさえしないことは往々にしてあるのでないだろうか。
買ったきり着ていない服。ついに予定が書き込まれないで1年が過ぎた手帳。「つんどく」状態の書籍たち……
ならば、ピアノのための第1歩が「ただ触るだけ」でも、変な話ではない。
というわけで僕は、毎日ピアノに触ることを1年間続けてみた。
そして一年後、まったく弾けなかった状態から坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」を弾けるようになっていたわけだ。
1段目の条件
人は複雑なことや面倒なことを続けられるようにはできていない。
そこで、階段を登り続けるためには「どのような1段目を設定するか」が重要になるのだが、条件がある。
【スモールステップの1段目の3条件】
- わかりやすく、簡単なこと
- 時間がかからないこと
- やる気を必要としないこと
毎日ピアノに触る、というのは簡単にできる。「どうやって触ろう?」と迷うことはないし、時間もかからない。それにモチベーションを必要としない。仕事が忙しく深夜に帰宅したときも、ワクチンの副反応中でも、ピアノに触ることはできる。
そんなことで本当にその先目標へ近づけるの? と不安になるくらいのものがちょうどいい。
どんなに小さくても「何もしなかったときの自分」と少しでも違えば前進だと考えよう。
続きは後編へ
さて文字数も増えてきたので、以降は後編にて。
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