「よし◯◯、メシ行くぞ!」
会社の昼休憩でよくある光景。先輩社員や上司から可愛がられている人はもちろん、特に可愛がられていない人でも上司の機嫌さえ良ければ、よくお昼ご飯に誘ってもらえたりする。お昼時のオフィス街、サイゼリヤ辺りに赴けば、まさにこの手の人々で溢れているだろうと思う。
新卒の頃、上からの命令は絶対だと心の底から思い込んでいた僕は、先輩からの誘いに嫌な顔ひとつせず「喜んで!」とついて行っていた。
仕事中とはまた違った話が聞けたり、時には奢ってもらえたりと、実は得るものが多い(という考え方もある)「職場ランチ」というイベント。
賛否あるかと思いますが、今となってはこの時間が大嫌いです。
本記事では、僕が「職場ランチ大嫌い」に至った経緯と、職場ランチとは対照的な「孤独」で「最小限」なランチタイムのメリットを書いていきたいと思います。
結論、メリットは以下の通り。
【とにかく節約になる】
シンプルに「毎日外食」は異常事態。
ガッポリ稼いでいて健康管理も抜かりない超人なら問題ないけど、僕にとっては異常事態。
異常な訳はまず出費。計算してみる。
・外食1回につき800円で試算(ちょっと良い定食とか注文すると瞬時に1,280円とかになるけどね)
・出勤240日/年(365日-年間休日125日で計算)
800円×240日=192,000円/年
シミュレーションはあくまでシミュレーションだ。
しかし僕らは、給与水準が久しく伸びていないうえに順調すぎる物価上昇真っ最中の日本において、さほど特別な日でもなんでもないただの昼ごはんに年間20万円も費やすべきなのかどうか、真剣に考えなければならない。
僕はこの試算をしてみて、思考停止的にだれかとランチに出るのはもうやめようと決心した。
このあと続くように理由はいくつかあるけど、やっぱり一番は「金かかる」だった。
ちなみに20万円で買えるものは、
- 最新のiPhone
- 積立NISA満額の半分
- ドラム式洗濯機
- TIFFANY & Co. ジュエリー
- まあまあなクオリティの国内旅行ペア
etc……
ここから先の判断は個々人の価値観の違いによる。
上記の選択肢たちに一抹の興味も抱かず、職場の人との外食ランチを大切にしたい場合は、もちろん文句はありません。
僕なら、家族で旅行に行く。
【食後、睡魔に襲われなくなる】
人は眠たいと仕事ができない。これは一般的に知られている事実。
ところで、日本の外食はたいてい糖質過多である。糖質の急上昇は睡魔をもたらす。これも、一般的に知られている事実。
冷静に考えれば、午後も仕事なのに唐揚げ定食でお腹いっぱいにするのはどうかしている。
もちろんどの程度の眠気に襲われるのかは個人差があるのだと思うけど。
僕の場合は、プリンの「うたう」を小一時間聞かされたときと同じくらいのコンディションになります。
【陰口大会に巻き込まれにくくなる】
これはどんな人とランチを取るかにもよってくる。
運悪く愚痴っぽい人と毎日お昼を共にしてしまうと、陰口大会への参戦を余儀なくされるだろう。
会社への愚痴、上司への愚痴、同僚への愚痴、昨日中継があったプロ野球の試合結果への愚痴、成績の悪い子供への愚痴、政治への愚痴、社会への愚痴………枚挙にいとまがない。
いやいや、愚痴るランチでいいじゃないかと。ストレス発散にもなるし、仕事がらみの愚痴はそれ自体が報告となって結果的に生産性の向上に……等々、一定程度愚痴ランチ肯定論者はいらっしゃるかと思う。
前述したように、新卒の頃はまさに僕がそうだった。陰口大会に積極的に顔を出し、誰かの文句を聞いては溜飲を下げていた。
確かに自分以外の誰かのマイナス情報は、僕らの心に巣食う悪魔の栄養となる。
ただし今振り返ると、そもそもそんなふうに食った飯は美味しくない。
それに、ランチで聞いた愚痴がその後改善点も含めて提案されて、結果良くなったという事例は経験したことがない。
陰口は生産性に寄与しないのだ。
【移動・注文・会計などの面倒がない】
まず「どこで何を食うか」の選択をしなければならないのが地味に苦痛。
以下のように、考慮すべき変数は多岐にわたる。
- ・メンバーの嗜好やアレルギーは?
- ・気を遣うような人がいればお伺いを立ててから?
- ・どこも混んでるからあえて人気のない店に行く?
- ・支払い方法に制限は? 現金のみの老舗定食屋はトラップ。
- ・午後に商談ならニンニクスタミナ系はNG?
- ・夏。暑い。地獄。さっぱりしたものはどこにある?
etc……
そもそも誰に店の決定権があるのか、たんぽぽの綿毛並みにふわっとしていることが多い。人は決めたがらない。
「今日は行くとこ決まってると思ってた」と全員が勘違いし、10分ほど目的のないウォーキングをしていたなんてこともざらだ。健康的でいいね、じゃない。
やっとの思いでたどり着いても「注文」という選択が待ち受けている。
まあここは自分がというより、優柔不断さんやおしゃべりしててメニュー見ないくんがいると一気に面倒になるので気をつけたい。
そして会計が無理。
誰かがまとめて支払うにしても小銭をじゃらじゃら渡し合う事案が発生する。全員が同じ銀行の口座を作って手数料無料で送金し合うという手もあるが、手があるというだけでまあ実現はしない。
分けて会計するにしてもしんどい。「あ、ええと自分あんかけ焼きそばです……いや、海鮮の方、いや、大盛りじゃない方です」とか言わなきゃいけない。なんの時間?
とにかく、いい歳した社会人数名がオフィスを出て、昼飯を食い、また戻ってくるという一連のオペレーションそのものが面倒の塊なのである。
【自分の時間が生まれる】
つらつらと書いてきたが、これが一番のメリットだと今は感じている。
労働基準法の第三十四条において「使用者は(中略)休憩時間を自由に利用させなければならない」とある。これはよく、休憩中は仕事から完全に解放されていなければなりませんよと解説されるものだ。
昼食は取ってもいいし、取らなくてもいい。スマートフォンをいじっていてもいいし、近くの公園を散歩してもいい。副業したっていいし、家が近ければ一度帰宅して風呂に入ったって構わない。
休憩時間の60分、3600秒はどんな職場であっても、過ごし方を強制されるものではない。
ちなみに計算してみると、
・1日あたり60分
・出勤240日/年(365日-年間休日125日で計算)
60×240=14,400分/年
と、計算するまでもなく、年間で240時間もある。
そう考えると、職場の人間と毎回毎回ランチに出かけることが、途端に馬鹿らしく感じてこないだろうか。
【おすすめする昼休憩の過ごし方】
僕が今現在実践している昼休憩についてまとめてみる。
- メニュー:鶏胸肉の茹で鶏150g、ブロッコリー30g、にんじん30g、塩、オリーブオイル、スパイス(クミン、ブラックペッパーなど)
- 上記を冷凍のままジップロックに詰め込んで毎日持参。レンチンで完成。
- 買い食いしない。白米とか菓子パンは絶対ダメ。飲み物は職場のウォーターサーバーかインスタントコーヒー。
- 誰にも話しかけられない環境(デスクから離れる。イヤフォンをするなど)を作る。
- YouTubeで動画学習orボーッとする。
とにかく炭水化物を摂取しないことが重要。とにかく最小限。あんまり食べない。前述したが、米を食うと午後眠くなり、仕事のパフォーマンスがガタ落ちする。
メニューはまるでボディビルダーみたいだが、決してムキムキなわけじゃない。ムキムキになりたい。
買い食いしない意志は慣れないと揺らぎがちで、僕も疲れたときはよく甘いものを買ってしまっていた。最初は現金やクレジットカードを持ち歩かないなど、「買えない環境づくり」が重要。
そして何より重要な「ひとりになる」ということだが、職場によってはなかなか実現は難しいかもしれない。
「ひとり」には「物理的なひとり」と「心理的なひとり」がある。
つまり、オフィスから出てカフェに行くなど、そもそも場所を変えてしまう物理的なアプローチと、オフィス内であっても休憩中に突然仕事を回されるような心配がない「気持ちの安全状態」を作る心理的なアプローチの2種類だ。
できれば物理的にも心理的にも孤独になれた方がいいに決まっているが、現実的にはそうもいかない。
イヤフォンをして話しかけられないようにしたり、同僚が普段使っていない休憩室を利用したりと、状況に合わせて工夫しよう。
【年間240時間をどう使う?】
今現在はもっぱらYouTubeを見て、ExcelのVBA講座だったり金融ニュースだったりを拾って動画学習をしている。
でも240時間あれば、それなりの難易度の資格試験合格も目指せるボリュームなので、ゆくゆくは集中して自己投資に時間投下したい。
まあ、これがなかなかできないんだけど。
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